介護コラム
介護職の人手不足対策・解決策とは
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超高齢社会の現代日本において介護の問題はつきものです。
年をとっても、健康を損なっても安全に安心して生活するためには介護職はなくてはならない仕事です。
しかし介護職員は慢性的な人手不足となっており、人材確保が大きな課題となっています。
人手不足を解決するには国をあげての取り組みが必要です。
そこで介護職の人手不足への対策についてお話しします。
人手不足の状況
介護職員数自体は年々増えており、平成25年10月1日時点で176.5万人となっています。
しかし介護を要する人口も年々増えており、結果的には人手不足となっています。
介護労働安定センターの調査によると、介護事業所における介護職員の不足感は59.3%、訪問介護職員の不足感は深刻で77.7%と高い値となっています。
介護職員の労働条件等の不満で最も多いのが「人手が足りない」で50.9%となっており、人手不足は現場の大きな悩みとなっていることが伺えます。
2025年には団塊の世代が75歳以上となり、更に介護の需要が増大するでしょう。
しかしその時には約38万人の介護職員が不足すると見込まれています。
参照元:公益財団法人 介護労働安定センター
http://care-net.biz/kaigo-center/hp/pdf/report/27/01.pdf
日本全体の問題として少子高齢化と人口減少から生産年齢人口も減少しているため、介護職員の不足は深刻な問題です。
人手不足に対する対策(厚生労働省)
政府としても、介護人材の確保は喫緊の課題として、2020年初頭までに約25万人の介護人材を確保することを目標に対策を講じています。
1.離職した介護人材の呼び戻し
介護職を辞めた人に対し、再就職の支援として必要な準備金を貸し付ける「再就職準備金貸付事業」が設けられています。
20万円を上限とし、再就職にかかる必要経費に対して貸し付けられます。
再就職して2年間働くことで返済を全額免除されます。
また、再就職支援の強化として福祉人材センターに離職した介護職員の届け出を受けるシステムを設けています。
2.新規参入促進
介護福祉士を目指す学生を対象に介護福祉士養成施設へ通うための学費等の貸し付けを行います。
卒業後一定期間内に介護職に就職、5年間従事すると学費の返済が免除されます。
また、全国には約120万人の中高年齢者(50~64歳)が介護ボランティアを行っているとされており、それらの方を対象とした就労支援もあります。
内容としてはボランティアセンター・福祉人材センター・シルバー人材センターと連携をし、意欲のある方を対象として介護職になるための研修を実施、ハローワークとの連携により職場とのマッチングを行います。
3.離職防止・定着促進
介護職の離職理由に対する対策を行い、離職防止・定着促進を進める取り組みを行います。
最も多い離職理由として「結婚、出産・育児」があり、それに対しては介護事業所内の保育施設の整備支援や子育て支援のための代替職員のマッチングが対策として設けられています。
「人間関係の不和・待遇の不満」に対しては職場環境の改善への取り組みとしてコンテスト・表彰の実施、認証・評価制度の推進が設けられています。
「腰痛など、身体的不調」に対しては介護ロボットの導入支援、文書量の半減などが取り組みとしてあげられています。
「将来の見込みがたたない」に対しては介護人材のキャリアアップ支援として医療的ケアの研修機会等が設けられています。
このように、政府としては介護人材の量・質の確保のための制度を設けています。
参照元:厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/topics/2016/01/dl/tp0115-1-13-02p.pdf
人手不足に対する対策(事業所)
制度として前述のように新たな介護人材の確保や再雇用の促進、定着促進の取り組みが設けられていますが、特に離職防止・定着促進については事業所側の取り組みが重要となります。
事業所として、介護職員が働きやすいよう環境を整えることが重要です。
保育所の整備や介護ロボットの導入をしたり、意欲向上を促すため表彰や評価制度を改善したりすることも必要といえるでしょう。
スキルアップのため職員へ研修などの情報提供をすることも必要です。
介護職員の賃金アップのため処遇改善加算を取得できるよう人員体制や研修などの整備をすることも事業所の役割です。
今いる職員に対して離職することなく従事してもらうためには事業所の努力も求められます。
その他の対策として
介護の人手不足を解決するために、介護人材の量や質を上げること、職場環境を改善することも重要ですが、要介護者を増やさないための取り組みも重要と思われます。
要介護状態にならないためには若い頃から生活習慣を整えて健康に過ごすこと、年齢をとっても介護予防として運動や外出・活動に努め、刺激のある生活を送ることが大事です。
介護予防のための取り組みは各自治体も行っているので、それらを利用するのも一つの手段といえるでしょう。
介護の人材確保のための制度や取り組みが様々あることが分かりました。
あとはいかに制度を活用し、人材確保に向け現場が取り組んでいくか、ということになるでしょう。
そもそも介護人材不足の大きな原因として「賃金の低さ」があるため、賃金向上のための取り組みを充実させていくことも重要といえるでしょう。
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