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医療介護求人メディケアキャリア 介護コラム ケアプランの長期目標・短期目標とは?具体例や作成のポイントを解説

公開日:2024年04月17日 |  更新日:2024年04月17日

ケアプランの長期目標・短期目標とは?具体例や作成のポイントを解説

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ケアプランの長期目標・短期目標とは?具体例や作成のポイントを解説
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ケアマネジャーによって作成されるケアプランは、介護サービスを受ける利用者にとって重要な介護の計画書です。ケアプランには利用者の状態や利用するサービスによって複数の種類があり、基本的に長期目標と短期目標の2種類のゴールを設定します。

本記事では、ケアプランの基本情報と作成の流れ、作成例とともに作成ポイントについて解説します。

ケアプランとは?

ケアプランとは、正式には「介護サービス計画書」というもので、要介護や要支援認定を受けた方がどのような方法で介護サービスを受けるかを具体的に示した計画書のことです。

介護保険適用のサービスを利用するにはケアプランの作成が必要不可欠で、ケアプランには利用する介護サービスの種類や内容、利用頻度やスケジュールなどが記載されています。

ケアプランの作成、ケアマネジャーの役割です。ケアマネジャーは介護サービスを利用する方はその家族にヒアリングを行い、日常生活で困っていることや希望などを把握した上で適切なケアプランを作成します。

ケアプランの種類

ケアプランには、介護サービスを利用する方や利用するサービスの種類などによって以下の3種類に分けられます。

居宅サービス計画

居宅サービス計画は、自宅で在宅介護を受ける要介護者1~5の方向けのケアプランです。訪問介護に加えて、通所介護や短期入所生活介護などのサービス、介護用品や福祉用品のレンタルなど、自宅で介護を受けるために必要なものも居宅サービス計画に含まれており、居宅介護支援事業所のケアマネジャーが作成します。

施設サービス計画

施設サービス計画は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護施設を利用するためのケアプランです。要介護1~5の方が対象となります。介護施設で勤務するケアマネージャーが作成を担当します。

介護予防サービス計画

介護予防サービス計画は、介護予防サービスを利用するためのケアプランで、要支援1または2の方が対象です。地域包括支援センターの職員が作成を担当し、要支援から要介護状態になることを予防して自立した生活を送れるよう支援を行います。

ケアプランの長期目標・短期目標とは?

ケアプランの第2表に記載する目標は、達成目標となる期間の長さに応じて長期目標と短期目標の2種類に分けられています。これらの目標にはケアプランの中でも重要な役割があります。

ケアプランにおける長期目標とは、半年~1年以上の中長期で達成を目指す目標です。時間をかけて介護サービスの利用者の方が最終的に達成を目指すゴールとなります。一方、短期目標とは長期目標を達成するために細かく分けて短期間で達成する内容で作成される目標です。

一般的に、短期目標の達成時期は1~3カ月程度を目安に設定します。つまり、ケアプランは短期目標を積み上げることで長期目標を達成できる内容となっています。

長期目標・短期目標が必要な理由

ケアプランではすべての目標の達成時期を統一するのではなく、必ず長期目標・短期目標の2種類で作成します。なぜ目標を長期・短期で分ける必要があるのかというと、その理由の1つは、介護サービスを提供する側がその内容や意義を再確認するためです。

長期目標のみでは、ゴールが遠いと途中で何をしているのか、本当に今やっていることに意義があるのかがわかりづらくなってしまいがちです。そこでゴールが近い細かな短期目標を立てることで、目標から遠ざかることを防いで定めた目標達成を目指しやすくなります。

また、介護サービスを提供する側のモチベーション低下を防ぐことも、長期目標と短期目標がそれぞれ必要な理由の1つです。短期目標を設定すればゴールが近いので達成しやすくやりがいを感じやすいため、モチベーションを保ちやすくなります。

ケアプランを作成する流れ

ケアプランは、主に以下の流れで作成します。

1.インテーク

インテークとは、ケアプランを作成するケアマネジャーが介護サービス利用者と電話または対面で面談を行って希望や要望などを聞き取ってニーズを明確にする、ケアプラン作成で最初に実施する工程です。ケアマネジャーは利用者の不安を解消しながら、丁寧にヒアリングを行います。

2.アセスメント

ケアプラン作成の2段階目にあたるアセスメントは、情報収集・分析をしてケアプラン作成にあたる情報を整理する工程です。介護サービス利用者の自宅を訪問し、生活状況や家族の状況、生活環境、利用中の介護サービスなどを確認します。

さらに、医療機関でも病状や身体状況などの確認も行い、解決すべき課題や阻害要因などを分析して解決方法や達成手段を検討します。

3.ケアプラン原案作成

アセスメントで収集した情報を分析した結果を元に、具体的な介護サービスの種類や利用回数・利用時間や料金などをまとめてケアプランの原案を作成します。

4.サービス担当者会議

作成したケアプラン原案を元に、介護サービス利用者とその家族、主治医や介護サービス提供者、ケアマネジャーが集まって会議を行います。ケアプラン原案の内容を共有し、希望に沿った内容かどうか、問題がないかの確認が必要です。

5.ケアプランの修正・完成

サービス担当者会議で出た意見や問題点などを参考に、ケアプランの修正を行って再提出します。修正後のケアプランで介護サービス利用者はその家族から同意を得て、はじめてケアプランが完成となります。

6.ケアプラン交付

完成したケアプランは介護サービス提供者に交付され、その後介護サービス利用者が介護サービス提供者と契約を締結すると介護サービスが開始されます。

7.モニタリング

ケアプランは、一度作成して終わりではありません。作成したケアマネジャーは最低でも1カ月に一度、定期的に介護サービス利用者の状態や環境などをチェックしてケアプランに沿ったサービスが提供されているか、目標にずれがないかなどを確認します。約6カ月に一度は、利用者の状態の変化に応じたケアプランの変更や修正が必要です。

【ケース別】ケアプランの作成方法の例

前述したように、ケアプランは長期目標と短期目標を設定しますが、同じようなケースの利用者でも身体状況や生活環境などによってケアプランの内容は異なります。以下では、ケース別のケアプランでの長期目標と短期目標の作成例をご紹介します。

歩行困難な方

歩行困難な方向けのケアプランでは、自力で歩くことを目指す場合は短期目標で短めの距離を設定して少しずつ達成し、長期目標を目指せるように歩行距離を設定します。杖を使う方には、1人で杖を使って歩くために短期目標で介助ありでの歩行や筋力をつけることを目指します。

■目標ケース①

長期目標:○○m歩けるようになる

短期目標:(上記の距離よりも短い距離で)○○m歩けるようになる

■目標ケース②

長期目標:杖で安全な歩行ができるようになる

短期目標:杖や介助ありで○○m歩けるようになる、下半身の筋力をつける

排泄が自力でできない方

自力で排泄できない方に対しては、最初は介助をつけての短期目標を持つことで自力で排泄できるようになることを目指します。

1人でトイレへ行けることを目標にする場合は、1つ目のように体力をつけること、定期的にトイレへ行くことを目標にしてから、1人でトイレへ行けるよう習慣づけられるようにケアプランを作成しましょう。

■目標ケース①

長期目標:トイレに行くことを習慣づける

短期目標:立ち座りできる体力をつける、定期的にトイレに行けるようにする

■目標ケース②

長期目標:声掛けによってトイレで排泄できるようになる

短期目標:介護職員の介助によって排泄ができる

食事をうまく取れない方

食事では誤嚥の危険性もあるため、誤嚥の予防を念頭に介助をする、むせることを防ぐことを短期目標に据えて、長期的に1人での食事や誤嚥予防ができる用目標を設定します。

■目標ケース①

長期目標:1人で食事ができるようになる

短期目標:介助を受けながら食事をし、徐々に介助の回数を減らす

■目標ケース②

長期目標:毎食残さず食べられるようになる

短期目標:好きなものや食べやすいものを中心に体調に合わせて食事を摂る

ケアプランを作成する際のポイント

ケアプランは介護サービス利用者一人ひとりに適した内容で、かつ利用者の希望や要望を組み込んで作成しなければなりません。そのためには、以下でご紹介するポイントを押さえましょう。

利用者にも家族にも話を聞く

ケアプランは介護サービスを利用する本人だけではなく、その家族にも話を聞くことが大事です。利用者のために作成されるケアプランではありますが、利用者と家族のニーズに相違があることも考えられます。

利用者と家族双方の意向や希望を反映したケアプランを作成するためには、双方の話を聞いてニーズを把握しておく必要があります。

利用者の生活の質を高める最終目標にする

ケアプランは、介護サービス利用者の問題や悩みを解決することが目標となり、長期目標もそのように設定し、さらにそこに至るまでの小さな目標を短期目標として設定します。

ケアプランの最終目標は、利用者の悩みを解決するだけにとどまりません。利用者が理想的な生活を送れるよう、生活の質を高められるように設定することがポイントです。

利用者のモチベーションが上がる内容を考える

ケアプランで長期目標だけを設定すると目標が高くなりすぎてしまい、利用者のモチベーションが下がってしまうため、長期目標へ向けて細かく短期目標も設定します。モチベーションを上げるためにも、短期目標は1~3カ月程度で達成できる内容を数段階に分けて作成しましょう。

ただし、途中で利用者の心身の状態が変化すると当初の目標達成が難しくなることもあるので、利用者の様子を観察しつつ定期的にケアプランを見直すことも必要です。

まとめ

ケアプランは、介護サービスを受ける利用者にとって重要な計画書です。一人ひとりにとって適した介護サービスを受けられるよう、ケアマネジャーは利用者とその家族の情報を収集しつつ、希望を汲み取りながらケアプランを作成する必要があります。

ケアプランを作成する際は利用者の生活の質向上を目指して、利用者本人や家族のニーズを踏まえた長期目標と短期目標を盛り込んだケアプランを作成しましょう。

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