面接で必ず企業側に質問される項目が、「志望動機」です。履歴書にも必ず記載するものですが、面接において口頭で答える場面も出てきます。今回は、介護職の面接で志望動機を聞かれた場合にどのように答えればいいのか、志望動機を答えるポイントとともに質問例や回答例をご紹介します。

介護職の面接で「志望動機」を言う際の5つのポイント

介護職に限らず、就職・転職活動での面接でほぼ必ず質問されるのが、志望動機です。定番中の定番の質問であるため、面接前に回答を準備しておくのであれば以下の5つのポイントを押さえておきましょう。

1. 自分の熱意を素直に伝える

面接で志望動機を質問するのは、応募者の介護や仕事に対する熱意を確認するためです。熱意をアピールするために、無理に話を大きくする必要はありません。なぜ介護職を目指したのかをはっきりとさせた上で、素直に面接官に伝えましょう。

2. 具体的な経験を交える

どんなに介護や仕事に対する熱意を伝えても、「多くの人の役に立ちたい」のようなぼんやりとした曖昧な内容では説得力がありません。志望動機では、具体的な経験を盛り込むと説得力が上がります。

家族の介護の経験がある方ならその内容を、過去に別の介護施設での勤務経験があるならその時の経験を交えるなど、具体性がある内容を含めるのも、志望動機を伝える際のポイントです。

3. 応募先の企業でどう貢献できるかを伝える

企業側は、仕事に対する熱意に加えて、その人がどのように貢献できる人材かどうかも知りたいと考えています。そのため、志望動機では応募先の企業でどのような仕事をしたいか、どのような貢献ができるかを伝えるのも重要です。

これはその企業や施設を選択した理由にも関わる部分で、応募先の企業や施設のことをよく知っておく必要もあります。改めて応募先企業や施設について理解し、その事業内容や施設の方針などにマッチした志望動機を伝えましょう。

4. 人間性をアピールする

介護施設で働く介護職員には、一定のスキルが求められることは当然といえます。しかし、人間性は一人ひとりの人柄が影響するため、スキルのように簡単に身につくものではありません。

スキルが高い応募者であっても、人間性に魅力を感じないとアピール力も不足するので、自分がどのような人間なのかをアピールすることも志望動機で大切なポイントです。職場での協調性やリーダーシップを取れるかどうかなど、一度客観的に見直して、自分自身の人間性を志望動機に組み込みましょう。

5. 給与面や福利厚生などの志望理由は伝えない

志望動機はその企業や施設に応募するきっかけとなった理由の1つなので、給与や福利厚生もその中に含まれるものですが、正直に給与の高さや福利厚生の充実を志望動機として挙げるのはNGです。

勤務条件のみに惹かれたと思われてしまいがちで印象が良くないばかりか、他の施設でも問題ないと思われたり、仕事への熱意も伝わりにくくなったりしてしまいます。

介護職の志望動機に関する質問例と回答例

介護職の面接における志望動機は、単純に「志望動機」として質問されるだけではなく、いくつかの質問に分けられることもあります。以下では、介護職の面接で実施されることが多い質問例とその回答例をご紹介します。

Q.介護職を選んだ理由を教えてください

なぜ介護職という仕事を選んだのかは、面接を行う企業や施設がまず応募者に質問したい内容です。この質問に対しては、熱意を素直に伝えるのが基本です。

介護施設の面接を受ける方には、介護系の学校や学部を経て介護の資格を取得した方のほか、まったくの異業種から介護業界へ未経験で飛び込む方も少なくありません。

特に異業種からの転職では、介護職を選んだ理由を明確にして伝えるよう心がけましょう。面接に至るまでにどのような職歴を持つ方であっても、説得力を持ってもらえる内容にするのがポイントです。

回答例

・新卒・経験者：介護職を目指したきっかけは、祖母の在宅介護がきっかけです。同居する祖母が要介護となり、デイサービスを利用しながら訪問介護員の方とともに、主に母が在宅介護を行っていました。

自宅での介護や送迎を担当してくださっていたデイサービスの職員さんの仕事ぶりを目の当たりにして、介護を必要とする方の手助けがしたいと重い、介護職を志望しました。

・異業種からの転職：前職では接客業に携わり、お客様に職員が提供するサービスにご満足いただけることにやりがいを感じていました。もっと人の生活の役に立てる仕事がしたいと思い、高齢者の方々の生活に深く携われる介護職を志望させていただきました。

Q.弊社に応募した理由を教えてください

介護職の志望動機からさらに突っ込んだ質問として、応募先の企業や施設を選んで応募した理由もよく質問されます。この質問には、応募先のことを把握して企業や施設の特徴や事業内容などを絡めた内容で答えるのがおすすめです。

逆に、待遇や立地条件の良さを挙げるなど、どの企業の応募理由としても使えるような一般的な理由は熱意が伝わりづらい上に具体性に欠けるので避けるべきでしょう。

応募理由としてよく聞かれるのが、理念や方針に共感した、という回答です。ただ単に「共感した」だけでは企業や施設のホームページを見ただけも言えることなので、必ずしも良い印象を持たれるとは限りません。

上辺だけの共感だけでは、むしろ逆効果になることもあるため、無理に共感を述べる必要はありません。自分の目指す介護の方針と合致する部分があり、本当に理念や方針に共感できているのであれば、その理由を具体的に述べましょう。

回答例

・これまで、訪問介護員として働いてきました。一人ひとりの利用者の方と接しながら介護や生活のお手伝いをしてきましたが、もっと多くの介護を必要とされている方に携わりたいと考え、多くの方が利用する施設で介護職員として働きたく、御社を志望いたしました。

・前職では、有料老人ホームに勤務していました。認知症の方も利用されていましたが、あまり割合は多くなかったので満足のいく認知症ケアができなかったと感じています。もっと認知症ケアに力を入れ、認知症の高齢者の方の介護を実践したいと希望し、御社のグループホームを志望いたしました。

Q.入社後の目標やビジョン、キャリアプランはありますか？

目標が何もない人材よりも、目標意識やキャリアプランを持って働く人材の方が企業にとってメリットが多いといえるため、入社後に明確なプランを持っているかどうかを確認したいと考えています。

この回答例では、応募先の企業や施設でその目標などが叶えられるかどうかもポイントです。現在取り組んでいることや自主性を持って進めていること、自分なりのやりがいを持っていることについて具体的に述べましょう。

回答例

・利用者の方が常に快適に利用できる施設運営ができるスキルを身につけられるよう、介護の現場から見直せるように努めています。一人ひとりの利用者の方に最適な介護サービスを提供しながら、この施設にいて楽しい日々を過ごせるような環境づくりができる施設運営ができる人材を目指して、知識も学びたいと考えています。

Q.何か質問はありますか？

面接の最後に、いわゆる逆質問はよく行われます。採用する企業は逆質問で応募に対する熱意や意欲、自己アピールができるかどうかなどもチェックしているので、「何もない」と回答するのはNGです。給与や福利厚生に関する質問も、仕事そのものより待遇の方に関心があると思われてしまうため避けましょう。

逆質問は、積極的に質問をすることで自己アピールができる機会にもなり、熱意や意欲も伝えられます。この場を利用して、勤務しながら介護の資格取得のチャンスはあるか、どのような方が活躍しているのかなどを質問してみるのがおすすめです。

まとめ 

志望動機の内容は、面接の成功に大きく関わる重要なポイントです。ある程度定番の質問も含まれているため、面接へ望む前にしっかりと回答を準備しておけば、問題なく回答できるはずです。今回ご紹介した情報を参考に、面接対策の一環として志望動機を準備しておきましょう。