介護コラム
介護士をやめたい理由TOP10と解決策を紹介
介護福祉士
ケアマネージャー
訪問看護
知識
介護職
                    
                                            「介護士を辞めたい」と感じていませんか?その気持ちはあなただけではありません。本記事では、多くの介護士が退職を考える理由TOP10をランキング形式で紹介します。
介護士が「辞めたい」と感じる背景とは
「もう介護の仕事は辞めたい…」もしあなたがそう感じているなら、それは決して特別なことではありません。多くの介護士が、日々の業務の中で同じような悩みを抱えています。この記事では、まずなぜ多くの介護士が「辞めたい」と感じてしまうのか、その背景にある介護業界全体の課題から見ていきましょう。
介護現場の現状と共通の悩み
日本の超高齢社会を支える介護現場は、慢性的な人手不足という大きな課題に直面しています。少ない人数で多くの利用者をケアしなければならず、一人ひとりの介護士にかかる業務負担は年々増加傾向にあります。身体的な介助はもちろん、利用者やその家族とのコミュニケーション、記録作業など、業務は多岐にわたります。高い専門性や責任が求められる一方で、その労働が必ずしも給与や待遇に反映されにくいという構造的な問題も、多くの介護士が抱える共通の悩みとなっています。
あなただけではない「辞めたい」という気持ち
責任感が強く、心優しい人ほど、理想の介護と現実のギャップに苦しみ、「自分はこの仕事に向いていないのかもしれない」と一人で思い悩んでしまうことがあります。しかし、厚生労働省の調査などを見ても、介護職の離職率は他の産業と比較して決して低い水準ではなく、多くの人が同様の理由で職場を去っているのが現実です。あなたが「辞めたい」と感じるのは、個人の能力や意欲の問題だけでなく、介護業界全体が抱える課題が大きく影響している可能性が高いのです。まずはその事実を理解し、自分を責めすぎないことが大切です。
介護士をやめたい10個の理由
多くの介護士が抱える退職理由には、共通する悩みや問題点が潜んでいます。ここでは、厚生労働省の調査データや現場の声をもとに、介護士が仕事を辞めたいと感じる主な理由を10個紹介します。あなた自身の状況と照らし合わせながら、共感できる点があるか確認してみてください。
理由1 低い給料と昇給の見込み
介護職の離職理由として最も多く挙げられるのが、給与に関する問題です。業務内容は、利用者の生命を預かるという大きな責任を伴い、専門的な知識やスキルも求められます。しかし、その責任の重さや仕事内容に対して、給与が見合っていないと感じる人が少なくありません。夜勤手当などを含めても全産業の平均給与より低い水準にあり、将来的な昇給も期待しにくいため、経済的な不安から退職や転職を決意するケースが多く見られます。
理由2 人間関係の複雑さ
介護の仕事は、職員同士の密な連携が不可欠なチームプレーです。しかし、閉鎖的な環境になりやすく、職員間のコミュニケーションがうまくいかないと、大きなストレスにつながります。価値観の違いによる意見の対立、一部の職員による派閥やいじめ、上司との相性の問題など、人間関係の悩みは尽きません。チームワークが求められる職場で孤立してしまうと、精神的に追い詰められ、退職を考える大きな原因となります。
理由3 身体的・精神的な負担
利用者の移乗や入浴介助など、身体を酷使する業務が多く、腰痛をはじめとする身体的な不調は介護士の職業病ともいえます。また、利用者の命を預かるプレッシャー、認知症の方とのコミュニケーションの難しさ、看取りの場面に立ち会うことによる精神的なストレスも計り知れません。このような心身への負担が積み重なり、疲弊しきってしまう「バーンアウト(燃え尽き症候群)」に陥ることも、離職の大きな要因です。
理由4 長時間労働と残業の多さ
介護業界は慢性的な人手不足に悩まされており、多くの現場で職員一人ひとりへの負担が大きくなっています。その結果、残業が常態化したり、休日出勤を余儀なくされたりするケースが後を絶ちません。記録物の作成や研修などで時間外労働が発生する「サービス残業」も問題視されています。不規則なシフト勤務と相まってプライベートの時間が確保できず、ワークライフバランスが崩れてしまうことが退職の引き金になります。
理由5 利用者や家族からのハラスメント
介護職員は、利用者やその家族から心ない言葉を浴びせられたり、理不尽な要求を突きつけられたりすることがあります。認知症の症状による暴力や暴言、セクシャルハラスメントなども深刻な問題です。本来であれば事業所が職員を守るべきですが、十分な対策が取られていない場合も少なくありません。精神的なダメージが大きく、仕事へのモチベーションを維持できなくなり、退職を決意する人もいます。
理由6 評価制度への不満
日々の頑張りやスキルアップが、給与や役職に正当に反映されないことへの不満も、退職理由の一つです。評価基準が曖昧で、上司の主観によって評価が決まってしまう職場も存在します。介護の仕事は成果が数字として見えにくいため、適切な人事評価制度が整っていない施設も多く、努力が報われないと感じることで、仕事への意欲を失ってしまいます。
理由7 スキルアップやキャリアパスの不明確さ
介護福祉士などの資格を取得しても、その後のキャリアプランを描きにくいと感じる介護士は少なくありません。日々の業務に追われ、新しい知識や技術を学ぶ研修に参加する機会がなかったり、施設内に目標となる先輩や上司がいなかったりすると、自身の成長を実感できなくなります。このまま今の職場で働き続けてもスキルアップが見込めない、将来性がないと感じたときに、転職を考え始めます。
理由8 職場の理念や方針とのミスマッチ
「一人ひとりの利用者に寄り添ったケアがしたい」という想いを持って介護業界に入ったにもかかわらず、職場の実態が異なっている場合があります。例えば、経営方針が利益優先で、効率ばかりが求められる現場では、自分の理想とする介護観とのギャップに苦しむことになります。自分が提供したいケアと、職場から求められるケアが一致しないことは、大きなストレスとなり、やりがいを失う原因となります。
理由9 休暇が取りにくい環境
慢性的な人手不足は、休暇の取得しにくさにも直結します。シフト制勤務のため、誰かが休むと他の職員に負担がかかるというプレッシャーから、有給休暇を申請しづらい雰囲気の職場は少なくありません。希望する日に休みが取れず、心身ともにリフレッシュできない状態が続くと、疲労が蓄積し、仕事への意欲も低下してしまいます。プライベートを大切にできない環境が、退職を考えるきっかけとなります。
理由10 将来への不安とキャリアの迷い
低い給与水準や身体的な負担を考えると、「この仕事を一生続けていけるのだろうか」という将来への漠然とした不安を抱える介護士は多くいます。年齢を重ねて体力が落ちたときに同じように働けるのか、結婚や出産といったライフステージの変化に対応できるのか、といった悩みは深刻です。介護業界全体への不安や、自身のキャリアの行き詰まりを感じ、他の業界や職種への転職を検討するようになります。
介護士をやめたい理由に対する具体的な解決策
介護士を「辞めたい」と感じたとき、すぐに退職を決断するのではなく、まずは状況を改善するための具体的な解決策を探ることが大切です。解決策は大きく分けて「現状の職場で改善を試みる」方法と、「転職を視野に入れる」方法の2つがあります。ここでは、それぞれの具体的なアクションプランを紹介します。
現状の職場で改善を試みる方法
転職にはエネルギーが必要です。まずは現在の職場で働きやすくなる可能性を探ってみましょう。環境を変えずに悩みが解決できるかもしれません。
上司や同僚への相談
一人で悩みを抱え込まず、信頼できる上司や同僚に相談することから始めましょう。業務量の多さや人間関係の悩み、キャリアに関する不安など、具体的な状況を伝えることで、周囲の理解を得られやすくなります。客観的なアドバイスをもらえたり、職場全体で改善に取り組むきっかけになったりすることもあります。相談する際は、感情的にならずに事実を整理して話すことがポイントです。
部署異動や役割変更の検討
現在の部署の人間関係や業務内容が「辞めたい」原因である場合、部署異動や役割変更が有効な解決策となり得ます。例えば、入所施設からデイサービスへ、あるいは訪問介護部門へ異動することで、働く環境や関わる人々が変わり、心機一転できる可能性があります。同じ法人内での異動であれば、給与や福利厚生などの条件を維持したまま、悩みの原因を解消できるかもしれません。
資格取得によるキャリアアップ
給与や将来性への不満は、資格取得を通じてキャリアアップを目指すことで解消できる場合があります。「介護福祉士」や「介護支援専門員(ケアマネジャー)」などの上位資格を取得すれば、資格手当による給与アップや、リーダーや相談員といった責任ある役職への道が開けます。スキルアップは自信にも繋がり、仕事へのモチベーションを高める効果も期待できるでしょう。
転職を視野に入れる場合の選択肢
職場内での改善が難しいと感じた場合は、転職という選択肢を具体的に考え始めましょう。介護の仕事自体は続けたいのか、それとも全く違う分野に進みたいのかによって、進むべき道は異なります。
介護職内で条件の良い職場を探す
「介護の仕事は好きだが、今の職場の待遇や環境が合わない」という方は、より条件の良い介護施設や事業所への転職がおすすめです。特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホーム、病院など、施設形態によって給与水準や働き方は大きく異なります。給与や休日数、残業の有無、研修制度の充実度など、自分が重視する条件を明確にして求人情報を比較検討しましょう。
介護以外の職種への転身
介護職で培ったコミュニケーション能力や傾聴力、観察力、チームワーク、忍耐力などは、他の多くの職種でも高く評価されます。例えば、高齢者向けのサービスを提供する企業の営業職やコールセンター、人のサポートを行う事務職、医療事務などが挙げられます。これまでの経験を活かせる異業種へのキャリアチェンジも、有効な選択肢の一つです。
転職活動を成功させるためのポイント
転職を決意したら、次の職場で後悔しないために、計画的に準備を進めることが成功のカギとなります。
自己分析とキャリアプランの明確化
まずは「なぜ辞めたいのか」という根本的な理由と、「次の職場で何を叶えたいのか」を徹底的に自己分析しましょう。給与、労働時間、人間関係、仕事のやりがいなど、譲れない条件に優先順位をつけることが重要です。自分の強みやスキルを再確認し、将来どのようなキャリアを築きたいかを明確にすることで、自分に合った転職先を見つけやすくなります。
転職エージェントの活用
在職しながらの転職活動は時間的にも精神的にも負担が大きいものです。介護業界に特化した転職エージェントを活用すれば、キャリア相談から求人紹介、履歴書の添削、面接対策、給与交渉まで、専門のキャリアアドバイザーが無料でサポートしてくれます。一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえることもあるため、効率的に転職活動を進めるための心強い味方となるでしょう。
辞める前に考えるべきことと行動ステップ
介護士を辞めたいという気持ちが固まったとしても、感情的に行動するのは禁物です。円満な退職とスムーズな次のステップのためには、計画的な準備が不可欠です。ここでは、退職を決意してから実際に職場を去るまでの具体的な行動ステップと、事前に考えておくべきポイントを解説します。
退職交渉の進め方
円満退職の鍵は、丁寧で誠実な退職交渉にあります。伝える相手やタイミング、伝え方を間違えると、トラブルに発展しかねません。以下のポイントを押さえて、スムーズな交渉を心がけましょう。
退職の意思を伝えるタイミングと相手
まず、就業規則で定められている退職の申し出時期を確認しましょう。一般的には退職希望日の1ヶ月から3ヶ月前とされていることが多いです。法律上は2週間前とされていますが、業務の引継ぎや人員補充の期間を考慮し、職場の迷惑にならないよう余裕を持った時期に伝えるのが社会人としてのマナーです。
退職の意思を最初に伝える相手は、直属の上司(ユニットリーダーやフロア長、施設長など)です。同僚や先輩に先に話してしまうと、噂が先行して上司との関係がこじれる原因になります。必ず直属の上司に「ご相談したいことがあります」とアポイントを取り、個別に話せる時間を設けてもらいましょう。
退職理由の伝え方と退職届の準備
退職理由を伝える際は、職場の不平不満を並べ立てるのは避けましょう。たとえそれが本音であったとしても、ネガティブな理由は円満退職の妨げになります。「一身上の都合」で十分ですが、もし具体的に聞かれた場合は、「新しい分野でキャリアアップを目指したい」「家族の事情で働き方を見直したい」など、前向きで個人的な理由を伝えるのが無難です。
上司に退職の意思を伝え、了承を得られたら、就業規則に従って「退職願」または「退職届」を提出します。提出のタイミングや書式については、上司の指示に従いましょう。
引き止めにあった場合の対処法
人手不足の介護業界では、退職を申し出た際に強い引き止めにあうケースも少なくありません。給与アップや部署異動などの改善案を提示されることもあります。その際は、まず感謝の気持ちを伝えた上で、退職の意思が固いことを明確に伝えましょう。もし提示された条件に心が揺らいだとしても、その場で即答はせず、「一度持ち帰って検討させてください」と時間を置くことが大切です。感情的にならず、冷静に対応することを心がけてください。
転職先が決まるまでの計画
退職後の生活を安定させるためには、転職先が決まるまでの計画を具体的に立てておくことが重要です。在職中に転職活動を行うか、退職後に行うか、それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った方法を選びましょう。
在職中の転職活動か、退職後の転職活動か
在職中に転職活動を行う最大のメリットは、収入が途切れない安心感です。経済的な不安がないため、焦らずにじっくりと自分に合った職場を探すことができます。一方で、仕事と並行して活動するため、面接の日程調整などが難しいというデメリットもあります。
退職後に転職活動を行う場合は、時間に余裕があり活動に集中できるのがメリットです。しかし、収入がなくなるため、貯蓄がないと精神的な焦りから妥協して転職先を決めてしまうリスクがあります。退職後に活動する場合は、失業保険の受給手続きなども視野に入れ、少なくとも3ヶ月程度の生活費を準備しておくと安心です。
引継ぎと有給休暇の消化
退職日が決まったら、後任者や他のスタッフが困らないよう、責任を持って業務の引継ぎを行いましょう。担当していた利用者様の情報や業務の手順などをまとめた資料を作成するなど、丁寧な引継ぎを心がけることで、気持ちよく職場を去ることができます。
また、残っている有給休暇を消化することも労働者の権利です。引継ぎのスケジュールを上司と相談しながら、最終出勤日までの間に計画的に消化できるよう調整しましょう。最終出勤日を早め、残りを有給消化にあてるケースが一般的です。
まとめ
介護士が「辞めたい」と感じる理由は、給与や人間関係、心身の負担など多岐にわたります。しかし、その悩みは個人だけでなく業界全体の課題ともいえます。大切なのは一人で抱え込まず、職場改善や資格取得、転職といった具体的な解決策を検討することです。本記事を参考に、自分に合ったキャリアプランを見直し、後悔しない働き方を見つけてください。
メディケアキャリアで
北信越の介護職求人を探す
関連記事
- 
            
                
介護士がうつ病になったときの症状や原因、対処法を解説
介護福祉士
ケアマネージャー
訪問看護
知識
介護職
                                            更新日:2025年11月04日
本記事では、介護士特有のうつ病の特徴や症状を「こころ・からだ・仕事」の3つの視点で整理し、原因や背景、今すぐできる対処法まで詳しく解説します。
詳しく読む
 - 
            
                
介護事業で独立するための条件や手順などを解説
介護福祉士
ケアマネージャー
訪問看護
看護助手
仕事内容
知識
介護職
                                            更新日:2025年10月03日
本記事では、独立のメリット・デメリット、必要な条件、具体的な手順を整理し、成功へつながる実践的なポイントを解説します。
詳しく読む
 - 
            
                
介護士の離職理由や職場の選び方のポイントを紹介
介護福祉士
ケアマネージャー
訪問看護
看護助手
介護事務
知識
介護職
                                            更新日:2025年10月02日
本記事では、離職理由を整理しつつ、ミスマッチを防ぐ職場選びのポイントを解説します。
詳しく読む
 - 
            
                
介護士のプロとは?プロの介護士に求められる資質・スキルなどを紹介
介護福祉士
ケアマネージャー
訪問看護
看護助手
知識
介護職
                                            更新日:2025年10月01日
本記事では、プロの介護士に必要な資質・スキルとキャリアパスを解説します。
詳しく読む
 
- 
                                    
                                                                                                                        更新日:2025年11月04日
介護士がうつ病になったときの症状や原因、対処法を解説
介護福祉士
ケアマネージャー
訪問看護
知識
介護職
本記事では、介護士特有のうつ病の特徴や症状を「こころ・からだ・仕事」の3つの視点で整理し、原因や背景、今すぐできる対処法まで詳しく解説します。
詳しく読む - 
                                    
                                                                                                                        更新日:2025年10月03日
介護事業で独立するための条件や手順などを解説
介護福祉士
ケアマネージャー
訪問看護
看護助手
仕事内容
知識
介護職
本記事では、独立のメリット・デメリット、必要な条件、具体的な手順を整理し、成功へつながる実践的なポイントを解説します。
詳しく読む - 
                                    
                                                                                                                        更新日:2025年10月02日
介護士の離職理由や職場の選び方のポイントを紹介
介護福祉士
ケアマネージャー
訪問看護
看護助手
介護事務
知識
介護職
本記事では、離職理由を整理しつつ、ミスマッチを防ぐ職場選びのポイントを解説します。
詳しく読む - 
                                    
                                                                                                                        更新日:2025年10月01日
介護士のプロとは?プロの介護士に求められる資質・スキルなどを紹介
介護福祉士
ケアマネージャー
訪問看護
看護助手
知識
介護職
本記事では、プロの介護士に必要な資質・スキルとキャリアパスを解説します。
詳しく読む 
    
    
                
0800-222-6155
                        
                        
            0800-222-6155
            
        
    