介護コラム
スマート介護士とは?仕事内容や資格の取り方について紹介
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介護の資格には、介護施設で働く上で基本となる介護職員初任者研修をはじめとして、専門性の高い国家資格などさまざまな種類があります。 これからの介護を考える上で欠かせない存在となりつつある介護ロボットや介護センサーなどの技術を取り扱える人材であることを証明できる「スマート介護士」という資格も。今回は、スマート介護士の資格の概要や資格取得方法など、スマート介護士について詳しく解説していきます。
スマート介護士とは?
介護業界は以前から人手不足の状況が続いているといわれており、介護の現場では介護職員一人ひとりへの負担も大きくなっています。そんな中、近年は介護職員の負担を軽減し、介護の質を高めるために新しい技術を活用した介護ロボットや介護センサーなどが導入されています。
ところが、新しい技術を導入しても使いこなせていない介護施設が多い点が問題でした。そこで、介護ロボットなどを活用できる人材を育成するための資格として登場したのが、「スマート介護士」です。
スマート介護士とは、介護ロボットなどの機器を活用して、介護の効率化や質向上を図れる介護士であることを証明する民間資格です。
この資格は2019年に登場したばかりのまだ新しい資格で、介護現場での人手不足を補うために登場している新しい技術を活かした介護のテクノロジーを実際に活用しながら、レクチャーやオペレーションを担当できる人材を育てるために創設されました。
スマート介護士の仕事内容
スマート介護士の資格を取得すると、介護ロボットや介護センサーなどの技術に関する知識を得て、活用できるようになります。この資格を活かしながら、介護の現場での問題点や課題などを分析し、それらを解決するための介護ロボットなどのテクノロジー導入計画を立案します。
介護ロボットやセンサーを導入する際は、製品の選定を担当するのも、スマート介護士の仕事です。
導入する介護ロボットやセンサーは介護施設の他の職員も使いこなす必要があるため、スマート介護士は導入後、介護ロボットの使用方法や、効率的に使うための活用方法を他の介護職員へレクチャーも行います。
介護ロボットやセンサーの運用開始後も、施設内できちんと運用できているかの効果測定を実施し、導入計画立案時に挙げた課題や問題点が解決できているかもチェックします。運用後もまだ課題や問題点が残っている場合は、改善策を策定することも、スマート介護士の重要な仕事です。
スマート介護士が向いている人
スマート介護士に向いているのは、介護の現場で施設の抱える課題や問題が見えている主任やリーダーに就いている人です。施設の現状を改善してより質の高い介護を提供するための方法として、スマート介護士の資格を取得して介護ロボットを活用できるようになります。
リーダー職ではなくても、介護の現場でのオペレーション改善や介護の質を向上したい人にも、スマート介護士が向いています。
その他にも、ICT(情報通信技術)を含めた介護スキルを身につけたい人、プラスアルファのスキルでキャリアアップをしたい人、転職を有利にしたい人にもおすすめです。
スマート介護士の資格は介護施設での経験豊富なベテラン介護職員向けと思われがちですが、経験の浅い介護職員でも取得可能です。
今後、テクノロジーの発達に伴って介護ロボットや介護センサーが進化し、さらに介護施設への導入が増えることに備えて、実務経験の長さを問わずスマート介護士の資格を取得しておくといいでしょう。
スマート介護士の資格の取得方法
スマート介護士の資格は、どのように取得すればいいのかわからない方が多いのではないでしょうか。そこで、スマート介護士の資格の基本的な情報と取得方法を解説します。
スマート介護士basic
スマート介護士の初級にあたる資格が、「スマート介護士basic」です。介護施設で働く介護職員、または介護ロボットメーカーの従業員に適した資格で、資格取得のための勉強を通して介護ロボットや介護センサーへの理解や基本的な知識を身につけられます。
受験資格は特に定められておらず、介護に携わる経験がない人でも受験可能です。受験には、6,600円(税込)の費用がかかります。
スマート介護士basicの資格取得を目指すための勉強方法は、公式テキストを使用、またはオンライン講座を受講するのが一般的です。オンライン講座は公式テキストに沿った4時間ほどの内容ですが、動画での学習となるためテキストのみでの学習より理解しやすいでしょう。
スマート介護士の公式サイトに掲載されている、学習用の模擬試験問題も活用できます。
試験はオンライン受験となり、自宅のパソコンとインターネット環境、Web会議ツール「Zoom」を使用して実施されます。すべて4択のマークシート式で、公式テキストからの出題となるため、しっかりと勉強していれば資格取得は難しくありません。70%以上の正答率で合格となります。
なお、スマート介護士資格の入門編として「スマート介護士beginner」という資格もあり、こちらは受験の必要なく認定校での講座受講で取得が可能です。
スマート介護士Expert
「スマート介護士Expert」はスマート介護士の中級資格で、介護の現場におけるオペレーション構築・介護の現場で運用するための知識を身につけられます。
オペレーション構築者向けの資格ではありますが、こちらも受験資格に制限などは一切なく、スマート介護士basicと併願受験も可能です。受験費用は8,800円(税込)、スマート介護士basicと併願する場合は13,860円(税込)となります。
スマート介護士Expertの資格取得のための勉強方法も、基本は公式テキストとオンライン講座です。スマート介護士Expert向けの模擬試験問題もあるので、併せて利用しましょう。
受験方法もスマート介護士basicと同様、自宅のパソコンでZoomを利用しての受験で、4択のマークシート方式での出題です。basicより深い理解度が求められますが、テキストに沿って出題されるので介護の知識がない方でもテキストで勉強していれば合格は可能です。正答率もbasicとほぼ同じで、70%以上で合格となります。
現時点で、スマート介護士Expertはスマート介護士の上位資格にあたりますが、今後はさらに上位資格となる「スマート介護士Professional」の創設も予定されています。
スマート介護士の資格を取得するメリット
スマート介護士はまだ創設されたばかりの新しい資格ですが、取得しておくとさまざまなメリットが期待できます。
まずメリットとして挙げられるのが、介護の現場における業務効率化を進めやすくなる点です。前述の通り、現在日本では介護現場での人手不足が深刻です。今後少子高齢化が進むにつれて働き手となる世代も減少する一方、介護を必要とする高齢者が増加するため、さらに人手不足が加速化することも懸念されます。
介護職員への負担が増す中でもスマート介護士がいれば、介護ロボットや介護センサーを活用した適切なオペレーションを実施することで、業務効率化や勤務環境の改善を図れるでしょう。
介護ロボットなどを適切に管理・使用できれば、介護の質も向上します。人手が不足している中でも介護ロボットにより負担が減れば、より専門的なケアの提供や介護職員と利用者とのコミュニケーションが行う余裕ができるでしょう。また、介護職員への負担増加によってリスクが高まる施設内での事故の予防にもつなげられます。
介護の現場へのメリット以外に、資格を取得した介護職員にもメリットがあります。資格を取得していると、これからさらなる普及が期待される介護ロボットや介護センサーについての専門的な知識を身につけていることが証明できるため、社内での評価アップや転職時にアピールできるチャンスも広がるでしょう。
まとめ
介護職員への負担を軽減しつつ、介護の質向上などのメリットが得られる介護ロボットや介護センサーを使いこなせる人材は、今後需要が高まることが予想されます。
スマート介護士の資格を取得していれば、新しい技術を活用できる人材として重宝されることも期待できます。介護職員としてステップアップを望む方は、スマート介護士の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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