日本の介護問題にはどのようなものがある?

日本の介護問題にはどのようなものがある?

老老介護の問題を理解しよう



高齢化の進んでいる日本では、さまざまな介護問題が出てきています。その中でもニュース番組の特集などでしばしば取り上げられているのが、老老介護の問題です。これは高齢者の介護を高齢者が行っている現状で、年齢を重ねた高齢者夫婦のみの世帯でしばしば見られます。主に60代以上の親子や兄弟が例として挙げられ、老老介護の数は増加傾向にあります。

厚生労働省の「国民生活基礎調査」の2013年度のデータによると、自宅で暮らしている要介護者の介護を行っているのが65歳以上の世帯は過半数に達しています。しかも要介護者と介護者の両方が75歳以上を超老々介護といいます。この超老々介護も同じく厚生労働省のデータによると、3割近くに達しています。このように老老介護はもはや日本の世帯ではありふれた光景になってしまっています。日本は高度経済成長の時から核家族化が進みました。

子供たちはすでに別のところで生活拠点を構えていることが多いです。しかも子供の自宅はマンションなど、親と一緒に暮らせる環境にないケースも少なくないです。さらに女性の社会進出も進み、なかなか子供世帯が面倒を見切れないところがあります。その結果、老々介護は今後も増え続けるであろう日本の介護問題の一つとなっています。

さらに深刻な問題になりつつあるのが、認認介護です。高齢化が進んでいる現在、認知症患者数も増加傾向にあります。2010年時点で280万人の認知症患者が要介護申請を行っているとのことです。これが2025年になると470万人まで増加するとみられています。そして認知症の高齢者の介護をしている人も認知症を発症しているケースも見られます。認認介護は介護者と要介護者の両方が認知症を患っていることです。山口県で「在宅介護における認認介護の出現率」を2010年に発表しています。その結果、老老介護を行っている世帯の中で約1割が認認介護の疑いありという結果が出ています。認知症を患っている者同士が同じ家の中で生活していると、いろいろと事故の起きる危険性も高くなります。認認介護をどうするかも老老介護とともに深刻な日本の介護問題です。



介護難民という言葉が登場



日本の介護問題の中でも、介護難民の問題も深刻視されています。介護が本来必要な高齢者が適切な介護を受けていない状態のことです。例えば要介護認定を受けている人で、特別養護老人ホームへの入所資格を有していても入れない待機問題が起きています。2017年には特別養護老人ホームに入所の待機者数が36万人を突破しています。となると自宅でも介護ということになって、高齢者夫婦の場合、先ほど紹介した老老介護・認認介護を強いられることになるわけです。このような介護難民の問題が深刻化している理由として、高齢化に伴う要介護者数の急増にあります。

要介護・要支援認定者数は2000年の段階で218万人でした。それが2015年になると603万人と十数年の間に3倍近くに急増しているのです。それに対して介護サービスの受け皿が対処しきれていません。ですから介護サービスを受けられずあぶれてしまった人たちが介護難民となってしまうわけです。また人手不足で介護サービスを拡大できないのも問題の原因の一つです。従業員が不足していると感じている施設は全体の過半数に達しています。きつい仕事の割にはもらえる給料が低いことで、なかなかなり手の見つからないのが原因です。



介護離職の問題への対策



親の介護を子供が行っていることも少なくありません。しかし仕事をしながら親の介護をするとなると、かなり大変です。24時間いつでも介護の必要性が生じるからです。このため、親の介護をするために仕事を辞める人も増えてきています。特に面倒を見る子供が一人だけの場合などは、両立がかなり難しくなります。厚生労働省では、「就業構造基本調査」というものを発表しています。2012年のデータによると、2011年10月から2012年9月の1年間で、介護を理由に離職した人は実に10万人以上に上っています。男女別にみると、約8割が女性を占めていて介護の負担が女性に大きくのしかかっていることがわかります。介護をしながら仕事をしている人の年代は40代頃から増えて、50代でピークに達します。

普通に会社の中でキャリアを積み重ねていくと、この年代は管理職などの重要な役職を担っていることも多いでしょう。すると介護との両立が難しくなって、離職せざるを得なくなる、もしくは親に任せっきりになって老老介護になりかねません。しかもこの年齢の方がいったん離職すると、介護がひと段落していざ再就職しようとしても職場が見つからないということも起こりえます。「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」では介護を機会に離職した3000人の40代から50代の人に正社員として再就職できたかどうか調査を実施しました。その結果、半数にも届きませんでした。しかも1/4は無職の状態だといわれ、対策が必要な状況にあります。

次の記事へ