地域によって格差が広がる介護の人材不足

地域によって格差が広がる介護の人材不足

どこでも起きてきている人手不足


人手不足という問題については、どの業界でもあまり違いはありません。介護の業界においても、この傾向ははっきりと現れてきています。この背景にあるのは、労働人口の減少です。これは、高齢社会という問題とともに大きな問題になってきている現象で、これから先の社会について考えても、目をそらすことができない問題となってきていますが、特に介護の分野において、労働人口の減少による人手不足は大きな問題として認識されています。
実際に慢性的な人手不足に陥っていることが多々あり、どこも人手不足でありながらキャパシティーを下げるわけにはいかず、対応に苦慮していることは明らかです。介護労働実態調査などの統計からも判明していることであり、介護サービスを提供している多くのところがそういった問題を抱えています。
雇用求人倍率から判断しても、非常に数多くの求人が行われており、高い数値を示しています。売り手市場となっていることから、人手不足ということが色濃く見える部分です。現在の時点として考えても、こうした状況下にあることは問題で、これから先高齢社会が加速していくことを考えれば、さらに悪化していくことは容易に判断ができるでしょう。介護を必要とする人口に対して、介護サービスを提供できる人口数の減少が見えてきている以上、さらに課題の重みが増していくことになるのは確かです。
そして、どのようなところが人手不足なのか、地域によって人手不足の割合はどう異なっているのかということも併せて考えていかなければなりません。

人が欲しいと言っても誰でもいいというわけではない


介護の現場から見ても、人手不足は深刻な問題となってきています。どこの現場でも、もう少し人手があればと感じていることがほとんどで、訪問系の事務所などは特に状況が悪化してきています。
また、介護職の職員数は少なくなっているだけではなく、高齢化が進んできているという問題もあります。地域によって大きな差がありますが、高齢化が進んできていることによって、一般家庭における老老介護といった問題を解決することも難しくなってきており、社会的な背景も抱え込んでいると言えるでしょう。高い平均年齢となっていることから、近い将来には退職していくことが考えられます。そうなると、必然的に人手不足は加速していくことになり、さらに悪化すれば確実な問題として顕在化してくることは確かです。これが、職員一人あたりの労働量を増加させていくことになり、結果として離職率の高さを下げられない問題となります。このような悪循環の改善はなかなか難しく、さらに悪化してしまうこともあるでしょう。
ただし、誰でも雇用できればよいという業種ではないという点も重要です。増員をしたくても、命や生活をあずかるという大きな責任があり、知識も技術も必要になってくる上、コミュニケーションがとれなければ仕事になりません。資格はあとからついてくるとも言われますが、能力として足していなければ、仕事にならないことは確かです。だからこそ、能力の証明と担保ということで、資格を有していることが求められます。
こうした条件が、さらにハードルを高めている要因となっていますが、資格を持っていれば済むのかという問題もあります。結果として、即戦力が欲しいのにもかかわらず、人材育成を強いられる結果となり、さらなる人材不足を招いています。逆にとらえると、やる気があり、向上心を持っていれば、いつでも門戸は開かれていると言える分野です。

地域格差が進む現状と売り手市場の加速


地域的な点に着目して見てみると、人手が本当に足りなくなるのかといえば、そうではない問題も見えてきます。介護職だけではなく、労働人口が都心部に集中しているということは大きな問題です。同じ仕事をするとしても、地方で働くよりも待遇が良く、働き口もたくさんあります。労働人口が集中していると、人手不足はそこまで深刻ではないという現状も見逃すことができません。
これは、他業種でも見られることであり、地域が地方になればなるほど、人手不足が深刻な問題となってしまっていることが多々存在します。将来的にもこのような事態が加速していくことは見えていることであり、労働人口の減少とともに集中化が進むことで、地域的な人材不足は加速していくことになるでしょう。
しかし、こうした事態は、捉え方によっては多くの仕事が存在するということでもあります。売り手市場の拡大とも言えますが、高い能力を持った人材は、さらに優遇されるようなことも出てきます。都市部では、労働人口が集中し充足される事業所が増える一方で、地方は売り手市場になっていくことを考えれば、介護の分野で働くということをもっと積極的に考えていくということもできるでしょう。地方ごとに特色も出てきているので、視野に入れつつ求人を見てみると、さらに効果的な求職につながっていきます。

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